春の雪解けとともに顔を出す、雪割草の魅力のご紹介をさせていただきます。
雪割草は、雪解けとともに顔を出して、春の訪れを感じさせてくれる花です。
「雪割草」という名前は通称で、和名は葉が三角であることからミスミソウ(三角草)といわれています。
ミスミソウの仲間の自生は雪の多い地域に多く、本州中部地方から四国、九州に分布するミスミソウと、東北から関東の太平洋側に分布するスハマソウ、日本海側の秋田県から石川県にかけて分布するオオミスミソウ、本州中部以西~四国に分布するケスハマソウが日本に自生しています。
このうち、オオミスミソウは花が大きく、花色・花形の変化に富むことが注目されて交配・増殖されて、現在たくさんの新花が生まれています。
花色は、白、桃、赤、紫色が基本で、多弁化して幾重にも花びらが重なった千重咲き、唐子咲きや雄しべが花弁に変化した二段咲きなど、変化の仕方により系統分けされ、芸の素晴らしさを鑑賞されます。
雄しべ・雌しべが花弁化せずに正常についているのが特徴です。 花弁に見えているのは実はがく片で、6~9枚あります。花色は、赤・紫・白が基本で、それらが混ざり合った微妙な中間色も存在します。花弁を縁取るように色がつく覆輪咲きや絞り咲き、底白、網目など豊富な花模様が入ったものもあり楽しめます。
雄しべが小花弁に変化した花をいいます。
雌しべはそのまま残り、端正な趣のある花になります。
雄しべが完全に花弁に変わり、雌しべも小さな花弁に変わっているタイプです。
まれに雄しべがそのまま残る場合もあります。
咲き出しから散りに至るまで刻々と移り変わる花の姿が三段咲きの魅力です。
雄しべ・雌しべともに花弁化して完全な八重咲き状になったもので、豪華な花姿が魅力です。
雄しべ・雌しべともに花弁化してねじれ、豪華で迫力のある花が多い。
雄しべが「丁字弁」といわれる不完全な花弁に変化した花をいいます。
雌しべはそのまま残っています。
日輪咲きは、雄しべが花弁化し、雌しべのまわりをとりかこむ咲き方で、均一な長さのおしべを日輪に見立てたものです。雌しべはそのまま残っています。
雪割草は、かわいらしい花と常緑の三角の葉が人気の植物で、鉢植えでも、庭植えでもどちらでも楽しめます。
春先のまだ早い時期から花を咲かせ始めますので、小鉢に植えたり、春を感じさせる花同士の寄せ植えなどを作り、一足早い春をお部屋に呼び込んでみてはいかがでしょうか。
また、お庭ではシェードガーデンに最適で、年数が経ち、大きな株になると花数もたくさんあがり、とても素敵に春の庭を演出できるでしょう。
雪割草の変化咲きの「銘品」などは花自体の持つ細かな芸が素晴らしく、近くに寄ってじっくり見たいものなので、お気に入りの鉢に入れ、じっくり鑑賞するのもおすすめです。花の芸は、株の充実度によっても良く出る年と、そうでない年がありますので、花後の管理にも手間隙をかけて、来年の出来に期待するという楽しみも生まれてきます。
雪割草の自生地の多くは、冬は雪が多く降り、夏場は木陰になるような所です。 春先は良く日が当たり、新葉が伸び始める夏場~秋にかけては遮光し、木陰の下のような環境をつくってやると、青々とした葉を一年中楽しむことができます。 夏場はなるべく涼しい場所におき、水やりは春に比べて控えめに、表土が乾いてからやるようにしましょう。夏場は肥料は施しません。 秋になりますとまた活動を始め、来年の花芽が出来てきますので肥料を施します。山野草用に薄めた液肥を1週間~10日に一度施します。 冬の寒さには良く耐えますが、雪が降らない地域では乾燥した風が冬の間葉を傷める原因となりますので、寒風があたらないよう保護してやりましょう。 株が増えて込み合ってきたら、株分けを行いましょう。株分けは秋が適しています。
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