プリムラ・オーリキュラの特徴や、バラエティに富む品種をご紹介いたします。
元々のオウリキュラはアルプス、アベニン、カルパチカ山脈などの石灰岩地に生える原種のサクラソウです。アツバザクラ(花色は黄色で中心部が白)と、生息地の重なるアルプス、ピレネーに生えるプリムラヒルスタP.hirsuta (花色は淡いピンク~ローズ)の自然交雑種がプリムラ プベスケンスP.pubescensです。
この個体が変異に富んで面白いことから16世紀頃の英国では人工的にブベスケンス交配が産業革命時の職工を中心とするフローリスト(育種家)によって盛んに行われました。
本来、銘品オウリキュラは植物分類状、プベスケンスと変わりないのですが、園芸種として一定の約束事に沿って交配育種された品種をアルファベット大文字で書き始めるAuriculaとし、原種と差別したオウリキュラ群とする文化が生まれ、16世紀より昔から継承され伝統的な園芸植物として現在まで根付いております。
1.花が円形に近く花弁がフラットで波を打たない。
2.花弁に切れ込みが少ないこと。
3.中心の基部が円形で歪みが少ないこと。
4.短花柱花であること。(雌しべが隠れて咲く種類)
5.その他、細かな約束ごとがあり、このような条件を満たさないものは、オウリキュラとして認められない。
オウリキュラの系統や用語などの決まりごとがどのように用いられ分けられているか写真や図を兼ねてご案内させて頂きます。
オウリキュラを代表する系統。花の中心が白粉で覆われ円環があり、花弁の色によりセルフ、エッジ、ファンシーなど大きく分け3タイプに分けられる。
ボディーカラー(花弁の色)が単色で、中心円が白粉に覆われます。鮮やかな花色が多く、親しみやすい花が多いグループです。
花色別に、イエローショウセルフ、レッドショウセルフ、ブルーショウセルフ、ダークショウセルフ、アザー(その他)ショウセルフの5つのタイプに更に分けられます。
18世紀中ごろに出現して以来もっとも尊重された系統です。ボディーカラーは黒系でそれを緑色のエッジが取り囲みます。グレーエッジ、ホワイトエッジは、エッジに白粉がつきます。
18世紀中ごろに出現して以来もっとも尊重された系統です。ボディーカラーは黒系でそれを緑色のエッジが取り囲みます。グリーンエッジは、白粉がつかないタイプです。
ショウ系とエッジの中間型で1820年ごろに出現した品種。ボディーカラーは黄色か赤の明るい色で、その周りを、緑がかるエッジが縁取ります。
アルパインオーリキュラは、葉、花、中心円にも白粉がないのが特徴です。 花色は花弁の基部が濃く、先端に向け次第に淡くなるとても美しい花を咲かせます。 くっきりとしたあざやかな色合いが、ビギナーの方からマニアの方まで幅広く人気のある系統です。
アルパイン系には大きく分けて2タイプあり、ライトセンタードは中心円は白~淡黄色で、花弁は青紫、ピンクになるタイプです。
アルパイン系には大きく分けて2タイプあり、ゴールドセンタードは中心円は濃黄色で花弁が赤、黄色、橙、茶などのタイプです。
花弁中心部は白粉に覆われ、ボディカラーに絞りや縞が入るタイプです。その縞は緑で白粉が着くものが多いのですが、ストライプの入り方とカラフルなボディカラーとの組み合わせにより実に変化に富む花々を咲かせます。
例えば、単色のボディカラーに白緑色の粉をつけたストライプが入るもの、何色ものストライプが入り乱れるものなどがあります。
18世紀頃に人気を集めた系統です。
八重咲きタイプのオーリキュラです。2タイプの八重咲きがあり、スタンダードダブル…花色が多様で花弁が多く波打つように密集するタイプと、クラシカルダブル…花弁がやや少なく、シンプルな咲き方のタイプがあります。
(Boeder) ボーダーオーリキュラ
「Auricula(園芸品種上の約束ごと)」の条件を満たさない品種。比較的原種に近いタイプで、強健なものが多く育てやすい。花のバリエーションも幅広いので、個性的な品種が多いのが特徴です。ガーデンオーリキュラはこちらに含まれます。
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