岩崎園芸

アツモリソウ

中国東北品種、中国西部品種、日本のアツモリソウなど当園で取り扱いのある品種をご紹介いたします。

中国東北地方のアツモリソウ。吉林.黒龍江.ロシア

中国東北地方には自然交雑による様々な特徴を持ったアツモリソウが自生しております。カルセオラス系統とマクランサスの自然交雑種、ベントリコーサム系は両種の特徴を生かしたバライティー豊かな花を咲かせます。このような幾つかの系統が同じ地域に自生することにより、バライティーに富んだ花を咲かせるのが中国東北地域のアツモリソウの魅力の一つです。

マクランサス/Cy.macranthos

人気のある花形でアツモリソウのイメージが一番強い系統の品種です。全体的に丸身を帯びており、 ふくよかな花を咲かせます。淡桃色~濃い桃色まで花色には個体差があります。清楚な白花アツモリソウもこの系統でCy.macranthos'Alba'と表記されている希少性の高いアツモリソウの一つです。

ベントリコーサム/Cy.ventricosum

マクランサスとカルセオラスの自然交雑種とされます。 花形はマクランサスに比べやや細長くペタル(側花弁)はカルセオラスの血を引きややフリルします。花色もバラエティーに富み飽きのこない品種のアツモリソウです。

カルセオラス/Cy.calceolus

この種は中国東北部、ロシア、欧州ヘと幅広く分布。地域により個体差の違いや変異が目立ちます。また、花には強い芳香性があります。特徴はペタル(側花弁)がフリルし、赤紫から黒身かかり、花は小輪系で細長く全体が黄色身を帯びております。

シャンシエンセ /Cy.shanxiense

中国東北部、北海道道東、カラフトに分布。 カルセオラスに似た感じですが、ペタル(側花弁)はフリルはしません。草丈は地域により異なります。 花は小輪で鑑賞性よりは希少性を楽しむ品種です。

ヘンリー /Cyp.henryi

雲南、湖北、甘粛、四川の標高1600~2600mの範囲に分布。 花は緑褐色の小輪で2~3輪咲かせます。まれに1輪の場合もあります。草丈は50~60cmと草枝は大きく花時期は他の品種に比べて半月~一月ほど早く開花します。地味な花ですが、風情ある雰囲気が根強い人気の品種です。

フラブム /Cyp.flavum

雲南、四川の標高2600~3800mの範囲にチベチクムと混在して分布。唇弁の側部には赤い斑紋があり、個体により斑紋がない種、var.flavumがあります。花色も濃い黄色から淡い黄色と同種でも個体差がある。また、葉全体は軟毛に覆われているので芽出し時でも多種と区別がし易い。 優しい色合いが人気のアツモリソウです。

チベチクム /Cyp.tibeticum

雲南、四川、甘粛の標高2500~3500mの範囲に分布。中部から西部地方まで幅広く分布する。チベチクムは地域により、かなりの個体差があり、花色や花形も様々です。特徴は葉が三枚で草丈は低く15~30cmくらいで全体に丸身があり、花時期も東北地方に分布する品種より、1ケ月ほど遅い。

スミティー /Cyp.smithii

四川省から甘粛南部の標高2500~4000mとチベチクムやフラブムに比べ生息範囲はかなり狭くあまり、被らない。葉は3~4枚、花は一株に1輪つけます。花色には個体差があり、黒色の強い赤黒から明るい赤黒で唇弁は全体的に丸身がある。また、花には艶のあるタイプと艶無しのタイプが混在する。

フランケティー /Cyp.franchetii

雲南西北部の狭い範囲から四川中央部の標高1500~2500mの範囲に分布。花色は淡紅色と桃色の筋が混じり合う。ペダル(側花弁)アッパーセパル(上花弁)が長く淡紅色から桃色の筋が入るのが特徴的。リップ(唇弁)は大きく全体が軟毛で覆われており、花形はよい、観賞価値の高い品種です。

ユンナネンセ /Cyp.yunnanense

雲南、四川の一部の標高2800~3500mの範囲に分布する。 花色は桃色~淡桃色で丸身があり、アツモリソウ(speciosum)によく似ている。花形には個体差はありますが、丸身のある美しい花を咲かせます。

プレクトロキロム /Cyp.plectrochilum

雲南、四川の標高2000~3000mの一部の範囲に分布する小型のアツモリソウ。和名を姫アツモリソウと呼び花径は1cm~1.8cmと小輪の花を茎に1輪咲かせます。リップ(唇弁)下部が細長く伸びているのが特徴的なアツモリソウです。

中国クマガイソウ/日本クマガイソウ /Cyp.japonicum

中国、朝鮮半島、日本の日本海側を中心とした九州から北海道までの広い範囲に分布。葉は扇形で二枚が対生し花茎の先端に1輪咲かせます。ジャポニカムは東アジアに広く分布が確認できますが、日本と中国品種では形状に違いがある為、同種ではあるが日本原産と中国産では区別され、流通しております。

台湾クマガイソウ /Cyp.formosanum

台湾原産のクマガイソウ。ジャポニカムより、やや小型で葉は扇形で葉が対生する。花茎の先端に花径5~6cmの淡桃色の優しい色合いの花を咲かせます。国内では需要が高い人気のクマガイソウです。

白花クマガイソウ /Cyp.japonicum‘Alba'

クマガイソウの白花です。清楚で美しい花は希少性や鑑賞性も高く、マニアの間で人気のある品種です。

国産アツモリソウのご紹介

日本が世界に誇るアツモリソウといえば、ホティアツモリソウです。ふくよかな花形と程よい赤身の色合いの花は野生蘭のプリンスと呼ばれるほど古くから愛されてきた野生蘭の代表種です。近年では自生が減り絶滅危惧種とされており、フラスコ栽培などが盛んに行われております。また、濃色タイプのカマナシアツモリソウなど世界的に人気のあるアツモリソウが日本には自生があります。また、希少性の高い出羽ノアツオリソウやキリギシアツモリソウは入手するのが難しいぐらい珍しい品種になってしまいました。

ホテイアツモリソウ /Cyp.macranthos ver.hotei-atumorianum

ふくよかな花形と程よい赤身の色合いの花が人気のアツモリソウです。花色は地域により個体差がありますが、大輪で見栄えあるホテイアツモリソウは人気が高く観賞性、希少性の どれをとっても野生蘭のプリンスと呼ばれるのに相応しい品種です。

カマナシアツモリソウ /Cyp.macranthos ver.sp

長野県の極一部の地域に分布。花色は濃色赤紫で花形もよく美しい花を咲かせます。個体差により、花色に艶のあるタイプと艶消のタイプがあり、現在はフラスコ栽培品で銘品も流通している。

コアツモリソウ /Cyp.debile

中国四川、台湾、九州沖縄を除く日本各地の森林に生息する小型のアツモリソウです。日差しに弱く栽培には、きつい遮光が必要です。また、当社で取り扱うコアツモリソウは北海道産のタイプを栽培したもので他県産に比べて大輪のタイプです。葉は二枚が対生し花茎の先端に一輪まれに二輪花小輪の花を咲かせる可愛らしいアツモリソウの仲間です。

北米産アツモリソウのご紹介

北米には様々なアツモリソウの種類があります。しかし、現在ではワシントン条約により、輸入規制がある為、どの品種も入手が困難です。当園で販売用として取り扱いのある北米産アツモリソウは現在レギナエの一種類のみですが、ご紹介させて頂きます。

レギナエ /Cyp.reginae

アメリカ北部からカナダ東部にかけて分布。花形、花色、草姿の何れも美しいアツモリソウです。この花の特徴はセパル(上花弁)ペダル(側花弁)は純白でリップ(唇弁)が紅色からほのかに淡紅色に色付く。淡い色合いが日本人好みの品種。

アツモリソウコレクション

現在は数量が少なく販売する在庫がないものや当園にて交配して出来たアツモリソウの開花株など、当園にて取り扱ってきた全てのアツモリソウをご紹介させて頂きます。

エゾ /Cyp.macranthos ver.hotei-atumorianum×Cyp.yatabeanum ex‘Yezo'

RHS(英国王立園芸協会)2005年交配種登録品種。交配の意図として自然界で混在するホティアツモリソウとキバナアツモリソウの交雑種が確認されてない為、交雑したらどのような姿になるか人為的に交配ホティアツモリソウ♀にキリギシキバナアツモリソウ♂として花粉をつけ交配。5年の歳月をかけて開花したのが左側写真です。美しいとは言えませんが趣味の趣向性、交雑性の興味としては面白い取り組みでした。

マルガリタケウム /Cyp.magaritaceum

雲南北西部から四川南部の標高2000~3200mの範囲に分布。葉は大きな楕円状が2枚、赤黒い丸い斑紋があるのが特徴的です。花の大きさは約3~4cmで全体に軟毛が目立ち、短い花茎の先端につけます。美しさよりは、希少性を楽しむアツモリソウです。

ウラシルケンス /Cyp.reginae×Cyp. flavum ex ‘UllaSilkens'

RHS(英国王立園芸協会)1996年Malmgren(マルムグレン氏)交配種登録品種。 北米産レギナエと中国に分布するフラブム、Obtusipetala(オブトゥシペタラ亜属)同士の交配がウラシルケンスです。当園でもウラシルケンス交配を行い開花したのが上記写真のお花です。それぞれが変化に富み、そして両種系統の血筋がバランスよく混じりあった美しい花です。一つとして同じ花が咲かず美しいので育種したかったのですが、熱心な愛好家により、完売してしまい。現在は販売品がありません。昨年交配を行っているので4~5年後にはまた開花株として楽しめそうです。

ギゼラ /Cyp.Parviflorym×macranthos

RHS(英国王立園芸協会)1992年Frosch(フロッシー氏)交配種登録品種。 北米産カルセオラス系アツモリソウ、小輪系のパルビフローラと大輪系アツモリソウマクランサスとの交配種。この種の自然交雑種は大陸に分布するVentricosumがあげられるが、北米産のパルビブローラムはペダル(側花弁)セパル(上花弁)の波打ちがはっきりし、形も整っているので面白い交配である。当園にあるタイプは中国でよくみる、ベントリコーサムにもよく似ている。

パルビフローラム /Cyp.Parviflorym

北米東海岸から内陸の平地の広い範囲に分布。小輪系のアツモリソウで花は1~2輪一株から咲かせます。リップ(唇弁)は明るく艶のある黄色でペダル(側花弁)が特徴的で波打ちフリルします。現在はコレクション程度の数量しかありません。

ケンタキーエンセ /Cyp.kentuckienese

北米中部、テキサス州、オハイオ州、ケンタッキー州の森林や草地に生える。草丈は40~100cmと大型で花径は5~8cmの大輪の花を咲かせます。ペタルが波打つタイプで一番の大型種。

アコーレ /Cyp.acaule

北米北東部、カナダに分布。 アツモリソウとクマガイソウの中間種にも思える。葉は2枚で花は2.5~3.5cmの筒状面長 の花を咲かます。人気の高い品種ですが、現在はフラスコ出し二年目のアルバが何十本かあり、 育種中です。

ファスキオラーツム /Cyp.fasciolatum

中国、湖北、四川に分布。草丈は40~60cm花は大輪で5~8cmの花を一株から一輪咲かせます。花形はリップが楕円状面長で淡いクリーム色。内部には線状の筋が入ります。ここ何年か輸入品が入ってはこないので希少種です。当園でも現在数株程度しかありません。

グッターツム /Cyp.guttatum

日本の一部、中国雲南、北朝鮮、北米、カナダに分布する小型種。表非常に希少性の高いアツモリソウで現在入手は困難で栽培も難しい品種です。当園にも数株程度しかありません。

ヤタベアヌム /Cyp.yatabeanum

現在は、当園では取り扱いがありません。写真のキバナノアツモリソウは数年前撮影したものでキリギシ山産のものです。入手は困難で栽培も難しい、希少性の高いアツモリソウです。

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